赤穂市民病院松井宏樹医師による医療事故8件の真相｜2年間で死亡2名・障害6名の衝撃

松井宏樹被告

手術は早くした方がいい。

この一言から、ある女性の人生は大きく変わることになりました。

自分の足で歩いて病院を訪れた79歳の女性が、手術後に両足が動かなくなり、排泄もままならない状態に。

たった1回の手術で、人生は一変してしまいました。

2024年12月27日、兵庫県赤穂市民病院の元脳神経外科医・松井宏樹被告（46）が、業務上過失傷害の罪で在宅起訴されました。

2019年から2020年の間に起きた8件の医療事故。

2人が亡くなり、6人に障害が残るという、衝撃的な事実が明らかになっています。

赤穂市民病院で発生した医療事故とは

2020年1月、腰の痛みで赤穂市民病院を訪れた79歳の女性。

背骨の通り道が狭くなる病気（医学用語では脊柱管狭窄症）と診断されました。

担当した松井医師は手術は早くした方がいい。

早くしないと人工透析になる可能性がある。と説明。

診断からわずか5日後に手術を行いました。

しかし、この手術で取り返しのつかない事態が起きてしまいます。

手術中、出血で手術部位がよく見えない状態だったにもかかわらず、松井医師は止血処置を十分に行わないまま、電動ドリルを使って手術を続行。

その結果、誤って神経を損傷してしまいました。

この手術の後、女性は両足が麻痺し、歩行が困難になっただけでなく、排泄機能にも障害が残りました。

この痛みを治してくれ。

足を動くようにしてくれ。

そうじゃなければ死ぬ。と、女性は家族に訴えていたといいます。

では、なぜこのような深刻な医療事故が起きてしまったのでしょうか？

次のセクションで、問題となった手術の詳細を見ていきましょう。

手術の様子を記録した動画を、別の医療機関の外科医が検証したところ、衝撃的な事実が明らかになりました。

色んなところにドリルを当てにいってる。

どこを削ればいいのか分かっていないのでは（という印象）。

1人で手術していい医師なのかと言われると疑問を感じる。

これは、動画を確認した外科医のコメントです。

ただし、これは動画の一部を見た印象だと断った上での発言であることに注意が必要です。

一方、松井被告は民事裁判で前の病院では助手も経験しているし、全く技量不足ではないと主張。

手術のミスについては認めたものの、その原因については上司の医師にせかされ、よく削れるドリルに変えたことが最大の原因だと説明しています。

しかし、この手術での医療過誤は、実は氷山の一角でした。

松井医師が関わった他の手術事故について、さらに詳しく見ていきましょう。

赤穂市民病院は、松井医師が2019年の着任から2020年2月までの間に関わった8件の手術で、医療事故が発生したことを公表しています。

この8件の手術事故の結果は、あまりにも深刻なものでした：

これらの事故を受けて、病院は松井医師の手術執刀を禁止。

その後、松井医師は2021年8月に依願退職しています。

では、このような重大な医療事故は、なぜ防ぐことができなかったのでしょうか？

次のセクションで、病院の対応と課題について考えていきましょう。

医療事故が発生した要因として、いくつかの問題点が指摘されています：

このような深刻な医療事故から、私たちは何を学ぶべきなのでしょうか？