収入が103万円を超えると税金が急に増えるから、働く時間を調整している
もっと働きたいけど、103万円の壁が気になって…
そんな悩みを抱えている方に朗報です。の税制改正で、長年課題とされてきた「103万円の壁」が、ついに123万円に引き上げられることが決まりました。
この記事では、2025年からの変更点と私たちの暮らしへの影響について、わかりやすく解説していきます。
1. 103万円の壁って何?基本をおさらい
「103万円の壁」という言葉は聞いたことがあっても、具体的な仕組みまではよくわからない…という方も多いのではないでしょうか。
まずは基本的な仕組みを確認していきましょう。
103万円の壁の正体
103万円の壁とは、パートやアルバイトの年収が103万円を超えると、次のような影響が出ることを指します:
- 所得税の課税対象になる
- 配偶者控除が受けられなくなる可能性がある
- 社会保険料の負担が発生する場合がある
そのため、多くの方が年収を103万円以下に抑える「就労調整」を行ってきました。
では、2025年からはどう変わるのでしょうか?次のセクションで詳しく見ていきましょう。
2. 2025年からの具体的な変更点
2025年度の税制改正では、物価上昇などを考慮して、次のような変更が行われます:
基本の変更点
- 103万円→123万円への引き上げ
- 基礎控除:48万円→58万円(+10万円)
- 給与所得控除:55万円→65万円(+10万円)
実施時期と対応方法
- 2025年1月から適用開始
- 年末調整で自動的に反映
- 確定申告は2026年から新制度に対応
特筆すべき点として、この引き上げは1995年以来、実に30年ぶりの大きな改正となります。当時から約10%の物価上昇があったことを踏まえての改定です。
実際の手取りはどう変わるのでしょうか?次は具体的な計算例を見ていきましょう。
3. 収入別の具体的な影響を計算例で解説
ケース別の具体的な試算
1. 年収100万円の場合
- 現行制度:手取り約100万円
- 改正後:変更なし(非課税範囲内)
2. 年収120万円の場合
- 現行制度:手取り約115万円
- 改正後:手取り約120万円(約5万円増)
3. 年収150万円の場合
- 現行制度:手取り約140万円
- 改正後:手取り約143万円(約3万円増)
この改正により、月々の収入を気にせず、より柔軟な働き方が可能になります。
さらに、大学生をお持ちのご家庭には、もうひとつ重要な変更点があります。次のセクションで詳しく解説します。
4. 大学生の子を持つ家庭への影響
特定扶養控除に関する重要な変更もあります:
- 子の年収要件:103万円→150万円に緩和
- 適用対象:19歳以上23歳未満の扶養家族
- 控除額:63万円(変更なし)
【具体例】
大学生の子がアルバイトで年収130万円を稼いでも、親の特定扶養控除が受けられるようになります。
これにより、学費や生活費の負担を考えながら、より柔軟な家計設計が可能になります。
では最後に、2025年に向けた具体的な準備ポイントを確認しましょう。
5. 2025年に向けた準備ポイント
給与収入がある方の準備
- 現在の年収を確認
- 2025年からの収入計画の見直し
- 社会保険の加入要件の確認
企業の給与担当者向けポイント
- 給与システムの更新確認
- 従業員への周知準備
- 年末調整関連書類の確認