【速報・現地取材】大間マグロ漁船転覆事故｜3億円伝説の船長が遭難、漁業安全対策の課題と対応

大間マグロ漁業の未来を考える重大な転機となった事故の詳細をお伝えします。

2019年大間マグロ初競りの様子

速報：大間マグロ漁の悲劇 - 3億円伝説の船長が遭難

2024年12月19日夜、青森県大間町で衝撃的なニュースが走りました。

2019年に史上最高額3億3360万円のマグロを釣り上げた伝説の漁師、藤枝亮一船長（70）の乗る漁船が津軽海峡で転覆。乗組員の1人が死亡し、藤枝船長の捜索が続いています。

この事故は、年の瀬の豊洲市場初競りを目前に控えた大切な時期に起きました。

大間のマグロ漁は、日本の食文化を支える重要な漁業であると同時に、漁師たちの命を賭けた挑戦の連続でもあるのです。

事故当日の19日、第二十八光明丸（全長12メートル、4.9トン）は太平洋でのマグロ漁を終え、港への帰路についていました。

午後6時半を最後に連絡が途絶え、午後8時、予定の入港時刻を過ぎても戻らない漁船の異変に気付いた大間漁協が通報しました。

懸命の捜索活動の結果、午後9時10分頃、大間埼灯台から約3キロの海上で救命胴衣を着用した状態で漂流していた乗組員の須藤愛教さん（55）が発見されましたが、その後死亡が確認されました。

漁船は大間埼灯台から約2キロの地点で転覆した状態で発見されましたが、その後の荒天により視界不良となり、位置の特定が困難な状況が続いています。

現場海域では、事故当時、特殊な海況が発生していました。

地元漁師の証言によると潮が風に向かって流れていたため、波が通常より高くなっていたとのことです。

大間漁協の大畑勝義さんは「普段と比べても波が高く、風も強い。沖に出られないような状態だった」と証言しています。

この海域特有の潮流と風の関係が、予期せぬ危険を生んだ可能性があります。

大間のマグロ漁は、冬の荒波との戦いです。

特に12月から1月にかけては、豊洲市場の初競りに向けて、最高級のマグロを追い求める重要な時期となります。

藤枝船長は2019年、この海域で278キロの大間マグロを釣り上げ、初競りで3億3360万円という驚異的な金額を記録。この快挙は、大間マグロの価値を世界に知らしめる歴史的な出来事となりました。

しかし、その影には40年以上にわたる経験と技術、そして時には命を賭けることになる危険との隣り合わせの日々がありました。

今回の事故を受けて、改めて漁業の安全対策が注目されています。

現代の漁船には、GPS航法装置や気象情報受信機など、最新の装備が搭載されています。

しかし、自然の猛威の前では、それでも予期せぬ事態が起こり得るのです。