- 「ジミーって誰？」から大統領へ - 誠実さが導いた道のり
- キャンプデービッド合意 - 中東和平への貢献
- 広島訪問から見える平和への思い
- なぜ「史上最高の元大統領」と呼ばれたのか
- カーター元大統領が残した教訓とは
、アメリカの第39代大統領ジミー・カーター氏が100歳で亡くなりました。
「史上最高の元大統領」と呼ばれ、退任後も世界平和のために精力的に活動を続けた政治家です。
でも、実は大統領になる前はほとんど無名の政治家だったって知っていましたか？
「ジミーって誰？」から大統領へ - 誠実さが導いた道のり
1976年の大統領選挙。
当時のカーター氏は「ジミー・フー？（ジミーって誰？）」とメディアにからかわれるほどの無名政治家でした。
南部ジョージア州の知事を1期だけ務めただけで、ワシントンの政界では全く知られていなかったんです。
でも、彼には他の政治家にない特別な武器がありました。
それは「誠実さ」です。
選挙運動中、カーター氏はこんなことを言っていたそうです。
「もし私がうそをついたり、誤解を招くような発言をしたりしたら、私に投票しないでください」
この驚くほど正直な姿勢が、当時のアメリカ国民の心をつかんだと言われています。
このような誠実な性格は、後の外交でも大きな力を発揮することになります。
特に、中東和平への取り組みでは、その真摯な姿勢が相手国からの信頼を生むことになるんです。
では、具体的にどんな外交成果を上げたのでしょうか？
キャンプデービッド合意 - 中東和平への貢献
カーター氏の最大の外交成果と言えば、の「キャンプデービッド合意」です。
長年対立していたエジプトとイスラエル。
この2つの国の和解を実現させたのです。
カーター氏は13日間、両国の首脳とともにキャンプデービッドという大統領の別荘に籠もり、粘り強く話し合いを続けました。
両国の言い分に真摯に耳を傾け、互いの立場を理解し合えるよう根気強く調整を重ねたんです。
このように、人と人との信頼関係を大切にした外交は、後の広島訪問にも影響を与えることになります。
広島では、どんな思いを込めて被爆地を訪れたのでしょうか？
広島訪問から見える平和への思い
、カーター氏はアメリカの大統領経験者として初めて広島を訪問しました。
この訪問には大きな意味がありました。
当時はまだ、アメリカの政治家が広島を訪れることはデリケートな問題とされていたからです。
カーター氏は平和記念公園で折り鶴を捧げ、日本語で「平和」と書いた色紙を贈呈。
「核兵器のない世界」への願いを込めて、静かに祈りを捧げました。
この行動は、単なるパフォーマンスではありませんでした。
退任後も平和活動に力を入れ続けた彼の生き方そのものを表していたんです。
では、なぜカーター氏は「史上最高の元大統領」と呼ばれるようになったのでしょうか？
なぜ「史上最高の元大統領」と呼ばれたのか
実は、カーター氏は大統領在任中の評価はそれほど高くありませんでした。
国内経済の低迷や、イランでのアメリカ大使館人質事件への対応が批判され、1期4年で退任することになったんです。
でも、退任後の活動が世界中から高い評価を受けることになります。
に設立した「カーター・センター」を通じて、世界各地の紛争解決や感染症撲滅に取り組み続けました。
その功績が認められ、にはノーベル平和賞を受賞しています。
このような地道な活動が、「史上最高の元大統領」という評価につながったと言われています。
