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イオン、過去最高売上でも赤字転落の真相─構造改革とデジタル投資で描く成長戦略

 

小売り大手のイオンが2024年3-11月期決算で、過去最高の売上高を記録しながら赤字に転落しました。

一見すると矛盾するような「好調」と「赤字」

この背景には、デジタル時代を見据えた大規模な構造改革があるんです。


 

イオン店舗外観

イオン店舗外観


 

どうしてこんなことになったのか?

これからイオンはどうなっていくの?


そんな疑問にお答えしていきます。


1. イオン3Q決算の概要:過去最高売上と赤字の謎

 


 

の決算発表で、イオンは売上高7兆4,705億円を記録。

これは前の年と比べて6.3%も増えた過去最高の数字です。




 

でも、最終的な損益は156億円の赤字

前の年は183億円の黒字だったので、かなり大きな変化があったことがわかります。


特に目立つのは、こんなポイント:

 

  • プライベートブランド商品(トップバリュなど)は好調
  • セルフレジの導入など、店舗のデジタル化を推進
  • 人件費が427億円も増加

 

2. 赤字転落の3つの要因を徹底分析

 


 

では、なぜ売上が増えているのに赤字になってしまったのでしょうか?

3つの大きな理由があります。


①人件費の大幅増加

賃上げや人材確保のため、人件費が427億円増加

これは働く人たちの待遇改善という意味では良いことですが、会社の収益としては大きな負担になっています。




 

②店舗閉鎖に伴う損失

収益性の低い店舗の整理を進めており、それに伴う一時的な損失が発生しています。


③前年の特別利益との比較

前の年は特別な利益があったため、その反動で今期は厳しい数字に見えています。


でも、これって本当に「悪い」ことなんでしょうか?


3. デジタルとリアル融合による成長戦略

 


 

実は、この「赤字」には、未来への投資という側面があります。


イオンは2025年までに、次のような目標を掲げています:

 

  • デジタル売上1兆円達成
  • セルフレジ導入でレジ関連の労働時間30%削減
  • プライベートブランド商品の売上2兆円へ拡大

 

特に注目なのが、イギリスのOcado社との提携。

これにより、次世代型のネットスーパーの構築を進めています。




 

4. 2025年に向けた収益改善シナリオ

 


 

イオンが描く未来図は、こんな感じです:

 

  • デジタル投資を全体の35%まで引き上げ
  • 小売事業の利益シェアを52%に拡大
  • 海外での営業利益比率を25%まで引き上げ

 

さらに、環境への取り組みも強化。

2025年までに、全150のイオンモールで再生可能エネルギーへの転換を目指しています。


5. まとめ:イオンの構造改革は成功するのか

今回の赤字決算は、短期的には厳しい数字に見えます。

でも、これは「悪い赤字」というより、「未来への投資」と捉えることができそうです。


特に注目したいのは:

 

  • デジタルとリアル店舗の融合
  • 地域密着型の商品開発強化
  • 環境への取り組み

 

ただし、この改革が成功するかどうかは、今後の展開次第。

年末年始商戦の結果や、デジタル投資の効果が見えてくる2024年度が、重要な転換点になりそうです。


みなさんの近くのイオンでも、どんな変化が起きているか、ぜひ注目してみてください。

セルフレジの増加や、地域限定商品の充実など、私たちの買い物風景も、少しずつ変わっていくかもしれませんね。


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