スキージャンプ女子のワールドカップで、高梨沙羅選手(28歳)に悲劇が起きました。
、オーストリア・フィラハで開催された大会で、94メートルという素晴らしい飛距離を記録した2回目のジャンプが、スキー板の長さ違反で無効となったのです。
スキー板の長さ違反で失格。94メートルの好ジャンプが幻に
高梨選手は1回目のジャンプで87.5メートルを記録し、15位につけていました。
2回目のジャンプでは見事な94メートルを記録。
この時点で暫定トップ(その時点での1位)に立ち、表彰台も見えてきた瞬間でした。
しかし、喜びもつかの間。
ジャンプ後の検査で、スキー板の長さが規定に違反していることが判明。
せっかくの好ジャンプが記録から抹消されることになりました。
このように、高梨選手の2回目の素晴らしいジャンプは幻となってしまいました。
では、なぜこのような用具違反が起きるのでしょうか?
なぜ起きた?スキージャンプの用具違反
スキージャンプでは、選手の安全を守り、公平な競技を実現するため、用具に関する細かな規定が設けられています。
スキー板の長さは選手の体格によって決められており、わずかな違いでも違反となります。
また、気温や湿度によって用具の状態が変化することもあり、選手やスタッフは細心の注意を払って調整を行います。
それでも、時として規定違反が起きてしまうことがあるのです。
このように、スキージャンプの用具違反は、ミリ単位の世界での戦いといえます。
高梨選手にとって、この失格は特に大きな意味を持っています。
なぜでしょうか?
高梨選手、北京五輪以来3度目の用具違反
実は高梨選手、の北京冬季五輪でもスーツの規定違反により失格となっています。
チームが4位に終わった後、インスタグラムに黒一色の画像とともに謝罪の言葉を掲載。
一時は引退も考えたことを明かしていました。
さらにのW杯蔵王大会でも、同じくスーツの規定違反で失格。
そして今回のスキー板違反で、3度目の用具違反となってしまいました。
このように、高梨選手は用具違反との戦いを続けています。
しかし、それだけではありません。
今シーズンは新たな課題も現れているのです。
テレマーク姿勢の新ルールも課題に
今シーズンから、スキージャンプの採点基準が変更になりました。
特に、着地時の「テレマーク姿勢」(片足を前に出す着地姿勢)の採点が厳しくなっています。
テレマーク姿勢を入れているつもりだが、ジャッジに取ってもらえていない
と高梨選手は話しています。
このため、良い飛距離が出ても得点が伸びない試合が続いているのです。
今シーズンのW杯では、の中国・張家口大会での4位が最高成績。
その他は2桁順位が続いており、以前のような勢いは見られません。