発熱、頭痛、そして咳—。
アフリカの中心部で、正体不明の病気が静かに広がっています。
すでに27人以上が命を落とし、世界保健機関(WHO)が緊急調査に乗り出しました。
いったい何が起きているのでしょうか。
コンゴで広がる正体不明の病気とは
、コンゴ民主共和国(旧ザイール)の保健当局が発表した内容によると、南西部で正体不明の病気が広がっているとのことです。
この病気の特徴は、
- 発熱
- 頭痛
- 咳
という症状。子どもから大人まで、年齢に関係なく病気にかかっているそうです。
以降、382人が病気にかかり、少なくとも27人が亡くなったと報告されています。
ただし、地域の医師からは実際の死者数は67人に上る可能性がある
という報告も出ています。
このように、状況の把握すら難しい状態が続いています。
では、なぜこの病気がここまで広がったのでしょうか。
その背景には、現地の深刻な医療事情があります。
発生地域の状況と医療体制
病気が発生したのは、コンゴ民主共和国の南西部にあるクワンゴ州パンジという地域です。
ここは首都キンシャサから700キロも離れています。
この距離感をイメージしやすく例えると、東京から広島までの距離とほぼ同じです。
しかも、日本なら救急車で30分以内に行ける距離に病院がある環境とは違い、医療機関がとても少ない地域なのです。
医師や看護師の数も十分ではなく、検査機器や薬も不足しています。
そのため、
- どんな病気なのか調べることが難しい
- 正確な患者数がわからない
- 適切な治療を受けられない人が多い
という問題が起きています。
このような医療体制の不足が明らかになる中、世界の専門家たちが動き出しています。
WHOは早速、現地への専門家チーム派遣を決定しました。
WHOの緊急対応と今後の見通し
WHOは、コンゴの保健当局と協力して状況の把握に取り組んでいます。
具体的には、
- 現地に調査チームを派遣
- 病気の原因を特定するための検査用サンプルを収集
- 今後の対策を検討
といった活動を進めています。
コンゴでは過去にも、エボラ出血熱などの深刻な感染症が発生したことがあります。
そのため、WHOには現地での対応経験が豊富にあります。
このような世界規模の対応が始まっていますが、ここで気になるのは私たちの生活への影響です。
私たちの生活への影響は?
現時点では、この病気が日本に直接的な影響を及ぼす可能性は低いと考えられています。
その理由として、
- 発生地域が限定的である
- WHOが早期に対応を開始している
- 日本には高度な検疫体制がある
といった点が挙げられます。
しかし、世界がコロナ禍で学んだように、感染症は国境を簡単に越えてしまう可能性があります。
そのため、WHOの調査結果や各国の対応には注意を払う必要があります。