SNSで大きな話題となった船橋市のケーキ店の投稿。生クリーム51本の発注が51ケース(612本)になってしまい、経営危機に陥ったという内容でしたが、製菓業界のプロたちから次々と疑問の声が上がっています。
この記事では、なぜプロたちがすぐに違和感を感じたのか、その理由に迫ります。
1. 船橋市ケーキ店で何が起きたのか
、あるツイートが瞬く間に拡散されました。
投稿主は「船橋市のケーキ屋です」と名乗り、生クリーム51本の発注が51ケース(612本)になってしまい、経営危機に陥ったと訴えかけました。
しかし、この投稿には不自然な点がいくつもありました。
店名を明かさず、DMでの対応を求め、さらに通常1000円以上する商品を300円で販売すると告知したのです。
このように、投稿内容には複数の疑わしい要素が含まれていました。
では、なぜプロたちはすぐにその不自然さに気づいたのでしょうか?
2. プロたちが指摘した「4つの不自然なポイント」
製菓業界のプロたちは、以下の4点に強い違和感を示しています。
①生クリームとコンパウンドクリームの混同
投稿では「生クリーム」と表現されていましたが、実際の商品はコンパウンドクリーム(動植物性脂肪の混合)だったとされています。プロなら、この基本的な違いを間違えることは考えにくいと指摘されています。
②保管設備の問題
「小さな店舗」と自称しながら、生クリーム612本もの大量在庫を保管できる冷蔵設備があるのか、という疑問が上がっています。
③店舗情報の非開示
経営危機を訴えながら、店舗情報を明かさずDMでの対応に限定している点が不自然だと指摘されています。
④過去の投稿履歴との矛盾
アカウントの過去の投稿を見ても、ケーキ店としての投稿が見当たらないという指摘もあります。
これらの不自然な点は、なぜプロの目にすぐに留まったのでしょうか?
3. なぜプロは即座に疑いを持ったのか
プロたちの指摘で特に重要なのは、以下の3点です。
①基本的な専門知識の欠如
生クリームとコンパウンドクリームの区別は、製菓業界では最も基本的な知識の一つと言われています。プロが間違えることは極めて考えにくいとされています。
②業務用生クリームの発注単位
業務用生クリームの発注は、通常はケース単位で行うことが一般的とされています。「本数」での発注自体が不自然だという指摘があります。
③価格設定の不自然さ
1000円以上する商品を300円で販売すると告知している点も、在庫処分としては異常な価格設定だと指摘されています。
このように、プロの目から見ると、投稿内容には様々な矛盾点が含まれていました。
では、この投稿の真の目的は何だったのでしょうか?
4. 類似の詐欺事例との共通点
この投稿には、SNSでよく見られる詐欺の手口と共通する特徴があると指摘されています。
①緊急性を煽る内容
期限の迫った在庫の処分を急ぐという設定で、判断を急がせる手法が使われています。
②個人情報の収集
DMでの対応を求めることで、個人情報を収集しようとする意図があった可能性が指摘されています。
③異常な値引き
通常価格の70%以上の値引きは、詐欺の可能性を示す重要なサインの一つとされています。
このような手口は、近年のSNSを使った詐欺事例でしばしば確認されています。
5. この事件から学ぶべきこと
この事件から、私たちが学ぶべき教訓は以下の3点です。
- 店舗情報の確認
正規の店舗であれば、通常は店舗名や所在地を明らかにします。情報開示を避ける投稿には注意が必要です。 - 異常な値引きへの警戒
通常価格から大幅な値引きを謳う投稿は、慎重に判断する必要があります。 - DMでの取引に要注意
個人情報のやり取りは、正規の店舗のウェブサイトや実店舗で行うのが安全です。