突然の訃報に、多くの人が言葉を失いました。
午前、女優の中山美穂さんが東京都渋谷区の自宅で亡くなっているのが見つかりました。
54歳でした。
1985年、わずか14歳でデビューして以来、アイドル、歌手、女優として第一線で活躍。
「ミポリン」の愛称で親しまれ、40年近いキャリアの中で数々の記録を打ち立てました。
14歳の原宿スカウトから始まった伝説
中山さんの芸能界入りは、原宿でのスカウトがきっかけでした。
当時、中学1年生。
演技経験はありませんでしたが、オーディションを重ねて1985年、TBSドラマ『毎度おさわがせします』でデビュー。
ツッパリ少女・のどか役を演じ、一躍注目を集めます。
同年6月には『「C」』で歌手デビュー。
初主演ドラマ『夏・体験物語』の主題歌として起用され、17万枚のセールスを記録。
アイドルとしての道も同時にスタートしました。
当時14歳とは思えない演技力と表現力で、アイドル路線と女優業を完璧に両立させた先駆者でした
―芸能評論家の評価―
このように、デビュー当初から類まれな才能を発揮した中山さん。
では、なぜそれほどまでに多くの人々の心を掴むことができたのでしょうか?
アイドルから実力派女優へ:90年代の飛躍
1989年、フジテレビの看板ドラマ枠として知られる月曜夜9時(通称:月9)で『君の瞳に恋してる!』に主演。
これを皮切りに、月9ドラマで計7作品の主演を務めます。
これは女優としては最多記録です。
特筆すべき記録:
1980年代、90年代、2000年代の3世代で主演ドラマ平均視聴率20%超えを達成した唯一の女優
10代、20代、30代のそれぞれの時期でも同様の記録を残しています。
音楽面でも輝かしい功績を残しました:
- ✦ 1992年『世界中の誰よりきっと』:183.3万枚
- ✦ 1994年『ただ泣きたくなるの』:104.8万枚
※80年代デビューの女性歌手で2曲のミリオンヒットを達成したのは、中山さんと今井美樹さんだけです。
このように、アイドルからの"卒業"が課題とされた90年代に、むしろ表現者としての幅を広げていった中山さん。
その転換点となったのが、次にご紹介する作品です。
演技者としての新境地:『Love Letter』から近年まで
1995年
岩井俊二監督の映画『Love Letter』で一人二役を演じ、各映画賞で主演女優賞を総なめに。「アイドル的な可愛らしさだけでなく、繊細な演技で観客を魅了した」と評価されました。
2002年
結婚を機にフランス・パリへ移住。育児に専念しながらも、2010年には映画『サヨナライツカ』で復帰。
2017-2018年
フジテレビ『貴族探偵』、『黄昏流星群』と、年代を重ねても第一線で活躍を続けていました。
2023-2024年
2023年に全国コンサートツアー「Trois」を開催。2024年も「Deux」ツアーを展開し、精力的に活動を続けていました。