「サーベルタイガーって、どんな姿をしていたんだろう?」
映画『アイス・エイジ』に登場する大きな牙を持つ猫のような動物。約200年もの間、その本当の姿は謎に包まれていました。
しかし、シベリアの永久凍土から、驚くべき発見がありました。3万2000年前のサーベルタイガーの赤ちゃんのミイラが、ほぼ完璧な状態で見つかったのです。
この発見は、私たちが想像していたサーベルタイガーの姿を大きく変えることになりました。
サーベルタイガーのミイラ発見!その衝撃の全貌
、ロシアのシベリア地方で作業員たちがマンモスの牙を探していた時のことです。
永久凍土の中から、思いがけない発見がありました。
それは、なんとサーベルタイガーの赤ちゃんのミイラだったのです。
このミイラは約3万2000年前のもので、皮膚や毛、筋肉までもが驚くほど良い状態で残っていました。
特に前足の部分は完璧な状態で、爪や肉球まではっきりと確認できたそうです。
なぜ今まで見つからなかった?発見の経緯と重要性
実は、サーベルタイガーの化石は世界中で見つかっています。
でも、皮膚や毛が残ったミイラは、今回が世界で初めての発見なんです。
なぜこんなに珍しいのでしょうか?
それは、捕食者と被食者の数の関係にあります。
自然界では、ライオンのような肉食動物よりも、シマウマのような草食動物の方が圧倒的に数が多いんです。
そのため、マンモスなどの草食動物のミイラは見つかっていましたが、サーベルタイガーのような肉食動物のミイラは、とても見つかりにくかったんですね。
従来の常識を覆す!意外な姿と特徴
このミイラの発見で、私たちが想像していたサーベルタイガーの姿が、実はかなり違っていたことが分かってきました。
特に驚きだったのは、毛の色です。
これまで、サーベルタイガーは現代のライオンのような明るい茶色だと考えられていました。
でも、実際には濃い茶色の毛をしていたんです。
また、上唇の大きさも予想外でした。
現代のライオンの赤ちゃんと比べて、2倍以上も大きかったそうです。
これは、成長すると長くなる牙を隠すためだったのではないかと考えられています。
現代のネコ科動物との驚きの違い
このミイラから分かった面白い発見がもう一つあります。それは、足の構造です。
現代のネコ科動物には必ずある「手根球」という部分が、このサーベルタイガーには無かったんです。また、前足の形はライオンよりもクマに近かったそうです。
これは何を意味するのでしょうか?研究者たちは、サーベルタイガーが獲物を捕まえる時、現代のネコ科動物とは違う方法を使っていたのではないかと考えています。
今後の研究で分かること|最新情報
このミイラの研究はまだまだ続きます。
特に注目されているのが、DNAの分析です。これによって、毛の本当の色や、現代のネコ科動物とどれくらい近い関係だったのかが分かるかもしれません。
また、この発見は赤ちゃんのミイラでしたが、これは大人のサーベルタイガーのミイラも見つかる可能性があることを示しています。