「イケおじラッコ」の愛称で親しまれ、サッカーW杯の勝敗予想でも話題を集めたラッコのリロが、朝に私たちのもとを離れました。
かつて日本全国で122頭も暮らしていたラッコたち。
でも今では、水族館で会えるラッコはたった2頭だけになってしまいました。
リロの旅立ちは、日本の水族館が抱える大きな課題を私たちに投げかけているのかもしれません。
愛され続けた「イケおじラッコ」リロの17年
リロは、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドで生まれました。
に福岡市東区のマリンワールド海の中道に来てからは、たくさんの人々を笑顔にしてきました。
特に人気だったのは、餌の時間に見せるかわいらしいパフォーマンス。
飼育員さんの合図に合わせてポーズを決めるリロの姿に、休日のラッコプール前はいつも人だかりができていたんです。
17歳という年齢は、人間に換算すると約70歳。
おじいちゃんラッコとなったリロは、最後まで多くの人々に愛され続けました。
のサッカーW杯では、日本代表の試合の勝敗予想に挑戦して話題になったことも。
このように、リロは単なる水族館の人気者というだけでなく、福岡の街の大切な仲間でした。
でも、リロの物語には、もっと大きな意味が隠されているんです。
なぜ日本の水族館でラッコが減っているの?
実は日本の水族館でラッコを見かけることが難しくなっている理由があります。
、日本全国の水族館で122頭ものラッコが暮らしていました。
それが今では2頭だけ。
なぜこんなに減ってしまったのでしょうか。
大きな理由は2つあります。
1つは、海外からラッコを迎え入れることが難しくなったこと。
もう1つは、水族館でラッコの赤ちゃんを産むのが簡単ではないということです。
リロは、そんな中でに日本で生まれた、とても貴重な存在でした。
国内で唯一の男の子ラッコとして、「イケおじラッコ」の愛称で親しまれたのも、そんな背景があったからかもしれません。
残された2頭のラッコはどこにいるの?
では、今日本で会えるラッコはどこにいるのでしょうか?
三重県の鳥羽水族館で暮らす2頭のラッコ、メイとキラです。
メイは20歳で日本最高齢のラッコ。
キラは16歳です。
2頭とも女の子で、毎日元気に過ごしているそうです。
ラッコたちの未来は?絶滅危惧種としての現状
実はラッコは、世界的に見ても大切な存在として知られています。
国際自然保護連合(IUCN)という団体が、「このままでは野生から姿を消してしまうかもしれない動物」として、ラッコを守るべき動物に指定しているんです。
日本の水族館でラッコが減っている状況は、私たちに大切なことを教えてくれているのかもしれません。
それは、かわいい動物たちと一緒に暮らしていける未来をつくるには、どうすればいいのかということ。