、アニメ『フランダースの犬』で主人公ネロを演じた声優・喜多道枝(きた・みちえ)さんが、東京都内の自宅で永眠されました。
89歳でした。
喜多さんは、1人で8つの役を演じ分けるという驚きの技術を持つ"声の魔術師"として知られ、半世紀以上にわたって声優と俳優の両方で第一線で活躍されてきました。
声優・俳優として活躍した喜多道枝さんとは
、東京都生まれの喜多道枝さん。
本名は纓片道枝(おがた・みちえ)。
俳優座養成所で演技を学び、その後、劇団四季にも所属するなど、舞台女優としてのキャリアをスタートさせました。
声優としての活動と並行して、NHK大河ドラマ『徳川家康』や映画『オケ老人!』、ドラマ『時をかける少女』など、数々の作品に出演。
演技の幅広さと確かな実力で、多くの作品に彩りを添えてきました。
このように、喜多さんは舞台から始まり、声優、映像と幅広い分野で活躍されてきました。
では次に、多くの人の心に残る『フランダースの犬』での活躍について見ていきましょう。
みなさんは『フランダースの犬』をご存知ですか?
『フランダースの犬』で魅せた驚きの演技力
に放送された『フランダースの犬』。
主人公の少年ネロは、画家を目指す心優しい少年として多くの視聴者の心を揺さぶりました。
このネロ役を演じたのが喜多道枝さんです。
特筆すべきは、喜多さんが番組の企画で披露した「1人8役」という驚きの演技。
ネロはもちろん、他の少年たち、おじいさん、おばあさん、少女、そしてナレーションまで、すべて1人でこなしたのです。
高い声から低い声まで、まるで別人のように声を使い分ける技術は、多くのファンや業界関係者からも称賛の声が寄せられていました。
このように、喜多さんは『フランダースの犬』で圧倒的な演技力を見せてくれました。
続いては、他の代表作や活躍の軌跡について詳しく見ていきましょう。
みなさんは、喜多さんの他の作品もご存知でしょうか?
舞台から声優まで、数々の名作を彩った軌跡
声優としての活躍は『フランダースの犬』だけではありません。
手塚治虫の名作アニメ『リボンの騎士』では、フランツ役を演じるなど、様々な作品で印象的な声を届けてきました。
舞台女優としても精力的に活動を続け、には舞台「8人の女たち」に出演。
木の実ナナさんら豪華キャストと共演し、その演技力は舞台でも高い評価を受けていました。
このように、喜多さんは舞台、アニメ、ドラマと、ジャンルを超えて多彩な才能を発揮されました。
最後に、その驚異的な声の演技について、もう少し詳しく見ていきましょう。
声優さんの演技について、みなさんはどんなイメージをお持ちですか?
1人8役の神技!声で表現する演技の極み
声優として最も注目されたのが、1人で8つの役を演じ分ける技術です。
声の高低はもちろん、キャラクターの年齢や性格まで、声だけで見事に表現していました。
例えば『フランダースの犬』では:
- 少年ネロ:あどけない少年の声
- おじいさん:渋い低音の声
- 少女:可愛らしい高音の声
と、それぞれ全く違う声色を使い分けていました。
このような技術は、長年の舞台経験と声優としての研鑽があってこそ。
喜多さんの残した足跡は、声優界の貴重な財産として、これからも多くの人々の心に残り続けることでしょう。