「30年以内に70～80%」——この数字、あなたは何の確率だと思いますか？
宝くじでも競馬でもありません。私たちの生活を一変させる可能性のある南海トラフ地震の発生確率です。しかも、最新の調査では、その備えに大きな課題があることがわかってきました。
南海トラフ地震って、本当に来るの？
発生確率と被害予測の最新情報
内閣府の発表によると、南海トラフ地震はに70～80%の確率で発生すると予測されています。これは、交通事故に遭う確率よりもはるかに高い数字なんです。
さらに気になるのが被害の規模。東日本大震災の約10倍という衝撃的な予測も出ています。「でも、私の住んでいる地域は大丈夫でしょ？」そう思っている方、要注意です。
香川県で予想される震度7エリア
実は、太平洋から離れた香川県でも、観音寺市、東かがわ市、三豊市で震度7が予測されています。これは、阪神・淡路大震災と同じ揺れの強さです。
「えっ、瀬戸内海側なのに？」と思われるかもしれません。実は震源域の広さが関係しているんです。南海トラフ地震の震源域は、静岡県から日向灘まで、驚くべき広さなんです。
このように、南海トラフ地震は、私たちが考える以上に広範囲に影響を与える可能性があります。では、どうやって備えればいいのでしょうか？実は、新しい「お知らせ」の仕組みがあるんです。
意外と知らない！？地震の「事前お知らせ」システム
臨時情報って何？簡単解説
南海トラフ地震臨時情報という言葉を聞いたことがありますか？これは、大地震の前に見られる可能性のある変化を知らせてくれる、いわば「地震の予兆情報」なんです。
の日向灘の地震（M7.1）の際、実は初めてこの臨時情報が発表されました。でも、この重要な情報が、意外にも多くの人に届いていなかったことがわかりました。
なぜ4人に1人が知らないの？
野村総合研究所の調査によると、臨時情報の発表を知らなかった人が、なんと4人に1人（24.2%）もいたそうです。特に若い世代では、20代の36%、30代の31.8%が「知らない」と回答しています。
これには理由があります。若い世代は主にSNSで情報を得る傾向があり、従来の情報発信方法では十分に届かないことがわかってきました。
このように、情報伝達の方法にも課題があることがわかりました。しかし、専門家によると、もっと重要な「備えの盲点」があるといいます。
専門家が警告「備えの盲点」とは
「モノの備え」だけじゃダメ？
地震が起きたら何が必要か、みなさんはすぐに思いつくと思います。水、食料、懐中電灯...。でも、京都大学防災研究所の山下裕亮助教は、こう警告しています。
「『モノ』の備えだけでは不十分です。『考え』の備えが重要なんです」
実際、の地震後、多くの人が防災グッズを買い求めました。しかし、3ヶ月後の現在、「もうそんなこともあったな」という声も。つまり、「モノ」があっても、それをどう使うか、いつ使うかという「考え」が伴っていないんです。
いざという時の判断基準
専門家が強調するのは、事前の判断基準づくりです。「この情報が出たらこうする」「家族とはこう連絡を取る」など、具体的な行動計画を立てておくことが大切だと指摘しています。
では、具体的に何から始めればいいのでしょうか？実は、誰でも今日から始められる方法があります。
今日からできる！具体的な備え方3ステップ
Step1：情報収集と共有
- 災害情報の入手方法を確認（テレビ、ラジオ、スマホアプリ）
- 家族での情報共有ルールを決める
- 避難場所と避難経路の確認
Step2：必要な物の準備
- 3日分以上の水と食料
- 懐中電灯、携帯ラジオ、モバイルバッテリー
- 常備薬と応急手当用品
Step3：家族との確認事項
- 集合場所の決定
- 連絡方法の確認（災害用伝言ダイヤル「171」の使い方など）
- それぞれの役割分担
