- 暗黒期からの復活|南場智子オーナーはどう改革を進めたのか
- 数字で見るDeNAの進化|観客動員数と収益の劇的改善
- ボールパークという新しい挑戦|スタジアム改革の全貌
- プロ野球界に新風を吹き込んだ女性オーナーの経営哲学
- これからのDeNA|さらなる進化への期待
生きていてよかった
、横浜スタジアムで南場智子オーナーが涙ながらに語った言葉です。
DeNAベイスターズが26年ぶりの日本一を達成。
しかもセ・リーグ3位からの下克上という歴史的な快挙でした。
この勝利の裏には、13年前から始まった大胆な改革がありました。
赤字だった球団を黒字に転換し、ガラガラだったスタジアムを常に満員の人気球場に変えた——。
今回は、その奇跡の改革の軌跡をたどってみましょう。
暗黒期からの復活|南場智子オーナーはどう改革を進めたのか
。
この日、IT企業のDeNAが95億円で球団の経営権を取得しました。
当時のベイスターズは4年連続最下位。
スタンドはガラガラで、年間の赤字は25億円にも上っていたと言われています。
「私は才能にほれ込むところがあり、自分にないものを持っている人に憧れます」
南場オーナーは、こう語っています。
マッキンゼー出身で経団連副会長も務める南場氏が、なぜプロ野球界に挑戦したのか。
それは、野球界に新しい価値観をもたらすためだったと考えられています。
このセクションで見てきたように、DeNAの改革は厳しい状況からのスタートでした。
では、具体的にどんな改革が行われたのでしょうか?次のセクションで詳しく見ていきましょう。
みなさんは、もし自分が球団オーナーだったら、最初に何から変えようと思いますか?
数字で見るDeNAの進化|観客動員数と収益の劇的改善
野球に付加価値を
これが南場オーナーの改革の第一歩でした。
球団オリジナルのビール開発、イニング間の楽しいイベント、快適な観戦環境の整備——。
その成果は、数字に表れています:
- 年間観客動員数:110万人(2011年)→200万人超(2018年)
- スタジアム稼働率:50.4%→ほぼ満員(※2018年時点)
- 経営状況:年間25億円の赤字→黒字化を達成
特に大きな転機となったのが、の横浜スタジアム運営会社の子会社化です。
球団と球場が一体となって経営できるようになり、効率的な運営が可能になりました。
このように、DeNAの改革は着実に成果を上げてきました。
では、こうした数字の改善は、実際の野球の強さにどうつながったのでしょうか?
ボールパークという新しい挑戦|スタジアム改革の全貌
やじが歓声に変わった
これは、当時のチームスタッフが語った印象的な言葉です。
かつての横浜スタジアムは、閑散としていて選手を罵るやじが目立っていたと言われています。
しかし、スタジアムの雰囲気が変わると、選手たちの意識も変わってきました。こんなに多くのファンの前で、恥ずかしいプレーはできない
。
ある選手はそう語ったと伝えられています。
改革のポイントは3つありました:
- 快適な観戦環境の整備
- 魅力的な飲食メニューの開発
- 家族で楽しめるイベントの充実
このセクションで見てきたように、スタジアム改革は単なる施設の改善ではなく、野球観戦の新しい楽しみ方を提案するものでした。
では、これらの改革を推進したプロ野球初の女性オーナーは、どんな経営哲学を持っていたのでしょうか?
プロ野球界に新風を吹き込んだ女性オーナーの経営哲学
南場オーナーの経営哲学は、「人」を大切にすることです。
それは、次の3つの取り組みに表れています:
- データ解析部門の新設
- 金融工学や統計学の専門家を採用
- 選手育成にデータを活用
- メンタルコーチの導入
- 選手の精神面をサポート
- パフォーマンス向上をバックアップ
- 人材への投資
- 功労選手との複数年契約
- 若手選手の育成強化
才能ある人材を活かす
という考えのもと、それぞれの専門性を最大限に引き出す環境づくりを進めてきました。
このように、DeNAの改革は「人」を中心に進められてきました。
この考え方は、今後のプロ野球界にどんな影響を与えていくのでしょうか?
これからのDeNA|さらなる進化への期待
26年ぶりの日本一——。
この快挙は、13年に及ぶ改革の集大成と言えるでしょう。
しかし、南場オーナーはこう語っています:
横浜、神奈川、全国の横浜DeNAベイスターズファンに恩返しが少し出来たかなという気持ちで、それが1番うれしかったです
この言葉には、さらなる高みを目指す意志が感じられます。