鳥が旅客機の羽にひっかかり着陸できない状態だ
—。の朝、務安空港に向かっていた旅客機の乗客が、家族にこんなメッセージを送信しました。
その直後、181人が乗った旅客機が着陸に失敗し、大規模な事故となりました。
今回は、この痛ましい事故について、どのようなことが起きたのか、なぜこのような事故が起きてしまったのか、そして空港の安全対策について、わかりやすく解説していきたいと思います。
事故発生から救助までの時系列
事故が起きたのは、タイ・バンコクから韓国・務安空港に向かっていたチェジュ航空の旅客機。ごろ、最初の着陸を試みましたが、うまくいきませんでした。
その後、もう一度着陸を試みましたが、車輪がうまく作動せず、機体を直接滑走路に着地させる「胴体着陸」を余儀なくされました。
しかし、この着陸も失敗。
滑走路を外れた機体は、空港の構造物に衝突して炎上してしまいました。
乗客175人と乗員6人の計181人が乗っていた旅客機。
そのうち、救助されたのはわずか2人でした。
残念ながら、120人の死亡が確認され、消防は救助された2人を除き、乗っていた人のほとんどが亡くなった可能性が高い
と発表しています。
このような大惨事はなぜ起きてしまったのでしょうか?
次は、事故の原因として指摘されている「バードストライク」について見ていきましょう。
なぜバードストライクが起きたのか?
バードストライクとは、飛行中の航空機と鳥が衝突してしまう事故のことです。
特に離着陸時は低い高度を飛行するため、鳥との衝突リスクが高くなると言われています。
今回の事故では、乗客のSNSメッセージから、着陸直前にバードストライクが発生した可能性が指摘されています。
実は、務安空港には特殊な環境があったのです。
では、空港の環境について詳しく見ていきましょう。
みなさんは空港の立地と安全性に、どんな関係があるか考えたことはありますか?
務安空港の特殊な環境と安全対策
務安空港は、海辺や湿地に近い場所にあります。
このような環境は、渡り鳥たちの格好の生息地となります。
特に10月から3月にかけては、マガモという鳥が多く生息しているそうです。
このような環境で運航していたチェジュ航空とは、どんな航空会社なのでしょうか?
新規就航路線での事故という点にも注目して、詳しく見ていきましょう。
チェジュ航空とは?新規就航路線での事故の背景
チェジュ航空はに設立された韓国の格安航空会社(LCC)です。
韓国国内外で62の路線を運航しており、日本の成田空港や関西空港とも直行便で結んでいます。
特筆すべきは、バンコク-務安間の路線はに就航したばかりだったという点です。
新規路線の運航開始からわずか3週間での事故発生となりました。
事故の詳しい原因究明はこれからですが、ここまでの内容を整理してみましょう。
では次に、この事故を受けた韓国政府の対応と、今後の展開について見ていきましょう。
今後の調査と安全対策について
韓国政府は速やかに対応を開始し、務安を「特別災難地域」に指定。
政府による財政支援と補償が行われることになりました。
チェ副首相は「すべての関係機関が協力し、救助と事故の対応に総力を挙げる」と述べ、事故原因の徹底究明と再発防止策の検討を約束しています。
また、チェジュ航空のキム社長も会見を開き、「事故の原因に関わらず、最高経営者として責任を痛感しています」と述べ、被害者家族への支援を約束しました。