「金」が5回目の選出――。2024年の日本は、光と影の両面で「金」に揺れた1年でした。
パリ五輪での金メダルラッシュに沸く一方で、政治の裏金問題が社会を震撼させた2024年。
今年も「今年の漢字」が、私たちの時代を鋭く切り取りました。
運命の発表の瞬間──。
、京都・清水寺。人々の視線が注がれる中、森清範貫主の筆が和紙に踊りました。
そして2024年の世相を表す漢字として「金」が選ばれたのです。
実は今回で史上初の5回目の選出となる「金」。
この選出には、私たちの暮らしに深く関わる3つの重大な理由が隠されているんです。
2024年を象徴する「金」――3つの重大な理由とは
今年の「金」という漢字が選ばれた背景には、私たちの社会を揺るがした3つの大きな出来事がありました。
- 第1の理由:歓喜の金メダル
パリオリンピック・パラリンピックでの日本選手団の大活躍。
多くの選手が金メダルを獲得し、日本中が感動と興奮に包まれました。 - 第2の理由:政治とカネ
政界を揺るがせた「裏金」問題。
自由民主党の国会議員による政治資金の問題が、大きな社会的関心を集めました。 - 第3の理由:若者と金銭問題
金銭絡みの様々な社会問題。
特に若者の間で話題となった「闇バイト」の問題など、新たな社会課題が浮き彫りになりました。
このように、2024年は「金(かね)」や「金(きん)」に関する出来事が私たちの生活に大きな影響を与えた年でした。
では、この重要な「今年の漢字」は、どのように選ばれているのでしょうか?
知られざる舞台裏――今年の漢字が決まるまで
「今年の漢字」は、日本漢字能力検定協会が一般の方々からはがきやウェブサイトで募集した投票によって決定されます。
2024年の投票総数の中から、「金」は12,148票を獲得して堂々の1位となりました。
このように、伝統と現代が見事に調和した形で、私たちの1年を象徴する漢字が選ばれています。
では、過去にはどんな漢字が選ばれてきたのでしょうか?
「金」5回選出の歴史を振り返る――平成から令和へ
「金」という漢字は、これまでに5回もの選出を重ねてきました。
これは1995年の「今年の漢字」開始以来、最多の選出回数という記録です。
「金」が選ばれた5つの年
- ▶ 2000年:シドニーオリンピックでの金メダルラッシュと新五百円硬貨発行
- ▶ 2012年:ロンドン五輪での活躍と金環日食
- ▶ 2016年:リオ五輪と政治とカネの問題
- ▶ 2021年:東京五輪での金メダルと様々な金字塔
- ▶ 2024年:パリ五輪と政治の裏金問題
興味深いことに、オリンピックという祝福すべき「金」の話題と、政治や社会問題における「金」の話題が交錯する年に選ばれる傾向が見えてきます。
では、今年の「金」は私たちに何を伝えようとしているのでしょうか?