たった1ヶ月前まで、大阪・海遊館の人気者だった巨大なジンベエザメ。
太平洋への自由を得たはずが、思いがけない形で最期を迎えることになりました。
体長約6メートル、愛称は「海君」。
5年間の水族館生活を終えて、研究のために海に帰されたジンベエザメの、短すぎた自由の軌跡をたどります。
発見から死亡までの経緯
「川にジンベエザメが！」
朝、愛媛県宇和島市の住民が目を疑う光景を目撃しました。
岩松川の河口付近で、体長6メートルもの大きなジンベエザメが泳いでいたのです。
最初は元気に泳ぎ回っていた姿も、時間とともに変化が。
潮が引いた頃には、ほとんど動かなくなっていました。
そして翌日、ついに悲しい知らせが届きます。
川底で動かなくなっているジンベエザメを発見したのは、市のドローン調査でした。
すぐに海遊館のダイバーチームが確認に向かい、そこで驚くべき事実が明らかになったのです。
このジンベエザメは、海遊館で「海君」として親しまれていた個体だったのです。
まとめると、発見から死亡までのわずか24時間で、多くの人の注目を集めることになりました。
では、そもそも「海君」とは、どんなジンベエザメだったのでしょうか？
「海君」はどんなジンベエザメだったのか
5年前、高知県の室戸沖で一匹のジンベエザメが定置網にかかりました。
これが「海君」との出会いでした。
オスのジンベエザメで、体長は5.9メートル。
大人の背丈を優に超える大きさです。
海遊館での5年間、多くの来場者を魅了してきました。
、高知県土佐清水市の大阪海遊館 海洋生物研究所以布利センターから太平洋に放流されました。
新たな旅立ちの始まりでした。
このように、「海君」は5年もの間、多くの人々に海の生き物の魅力を伝えてきました。
なぜ放流という決断がされたのでしょうか？
なぜ放流されることになったのか
放流の目的は、ジンベエザメの生態研究でした。
「海君」の体には、移動経路を記録するデータロガーが取り付けられていました。
この研究は、ジンベエザメの保護活動や生態系の理解に重要な情報をもたらすと期待されていました。
まさか、放流からわずか1ヶ月で、このような結末を迎えることになるとは、誰も予想していませんでした。
では、なぜ「海君」は川に入ってしまったのでしょうか？
川に入ってしまった理由は？
現時点で、「海君」が川に入った正確な理由は分かっていません。
ジンベエザメは通常、外洋を回遊する魚類です。
川に入ることは極めて異常な行動と言えます。
データロガーの解析により、放流から川に入るまでの「海君」の行動が明らかになるかもしれません。
このように、予期せぬ出来事の裏には、まだ多くの謎が残されています。
今後の調査で、どんなことが分かるのでしょうか？
今後の調査で何がわかるのか
海遊館は「海君」を高知県土佐清水市の研究施設に運び、詳しい調査を行う予定です。
この調査により、以下のようなことが明らかになる可能性があります：
- 川に入った理由
- 死因の特定
- 放流後の行動パターン
- 体の状態の変化
海遊館の田井康之さんは「せっかく海に帰したところなので、元気に暮らしてほしかった」と話しています。
