朝、韓国のムアン(務安)空港で痛ましい航空事故が発生しました。
バンコクから到着予定だったチェジュ航空の旅客機が着陸に失敗し、85人もの尊い命が失われました。
この記事では、事故の発生から救助活動までの詳しい経緯と、私たち日本人への影響について、わかりやすくお伝えしていきます。
事故発生の経緯 - 何が起きたのか
すぎ、タイのバンコクを出発したチェジュ航空の旅客機が、韓国南西部にあるムアン空港に着陸しようとしました。
搭乗していたのは、乗客175人と乗員6人の合計181人。その大半が韓国人(173人)で、タイ人が2人でした。
航空機の位置情報によると、この便はバンコクのスワンナプーム国際空港をごろに出発。約6時間半のフライトを経て、ムアン空港に接近しました。
しかし、着陸の際に異変が起きました。航空機の車輪(ランディングギア)が正常に作動せず、機体をそのまま滑走路に着地させる「胴体着陸」を試みることになったのです。
事故の瞬間を捉えた映像によると、機体が滑走路に接地してから約3秒で炎が確認され、その約8秒後には空港の外壁に衝突。大きな炎に包まれました。
消防にはに通報が入り、消防隊員80人と消防ヘリが現場に急行。これまでに2人が救助された一方で、85人(男性25人、女性37人)の死亡が確認されています。
このような大規模な航空事故が起きた原因は何だったのでしょうか。次のセクションでは、事故の推定される原因について詳しく見ていきましょう。
事故原因の解明 - バードストライクの可能性
事故の原因として注目されているのが「バードストライク」、つまり鳥との衝突事故です。
実は、ムアン空港には特徴的な環境があります。空港の周辺には海辺や湿地があり、渡り鳥が巣を作りやすい場所なのです。特に10月から3月にかけては、マガモと呼ばれる野鳥が多く生息しているといいます。
韓国の航空当局によると、マガモは朝と夕方に活発に活動し、高い高度を飛ぶ習性があるとのこと。そのため、ムアン空港では以下のような対策を行っていました:
- 発砲音など、鳥が嫌う音を繰り返し流す
- 実弾による駆除を実施
しかし、このような対策を行っていたにもかかわらず、今回の事故は防げませんでした。
では、この事故は日本の航空路線にどのような影響を与えるのでしょうか?
日本への影響 - 運航状況と今後の対応
実は、事故機は日本の空でも頻繁に飛んでいました。事故の前日28日にも、長崎空港に着陸していたのです。
チェジュ航空は「日韓路線の多角化」を進めており、日本の地方空港への就航を積極的に行っていました。2023年には日韓路線だけで350万人以上の旅客を運んでいます。
具体的な運航実績を見てみましょう:
- 長崎-務安間:週3往復のチャーター便
- 釜山-福岡間:6往復
- 釜山-新千歳間:3往復
事故を受けて、チェジュ航空はホームページに謝罪文を掲載。
今回のムアン空港での事故により被害に遭われたすべての方に謝罪いたします
また、ムアン空港は現在閉鎖されており、関西行きや成田行きを含む全便が欠航となっています。