加藤一二三九段がギネス世界記録認定｜65年超の詰将棋連載はなぜ続いた？84歳"ひふみん"の情熱と秘密

将棋界のレジェンド・加藤一二三九段（84）に、うれしいニュースが飛び込んできました。

2024年11月21日、「同一雑誌におけるボードゲームパズル作者としての最長キャリア」でギネス世界記録に認定されたのです。

なんと65年62日にも及ぶ連載期間。

1959年から今も続く月刊誌「家の光」での詰将棋連載が評価されました。

「ギネス世界記録達成を大変よろこんでおります」と満面の笑みを浮かべた加藤九段の姿に、会場からは大きな拍手が送られました。

1. 加藤一二三九段のギネス世界記録とは？驚きの快挙の全容

今回のギネス記録は、19歳だった1959年9月から「家の光」で始めた詰将棋の連載が、なんと65年以上も途切れることなく続いているという驚異的な記録です。

詰将棋というのは、将棋のパズルのような形式で、決められた手数で相手の王様を詰ませる（負かす）手順を考える問題のこと。

加藤九段は、一般の将棋ファンでも楽しめるよう、主に7手か9手で詰むような問題を作り続けてきました。

「健康にめぐまれたから続けられた」と謙虚に語る加藤九段ですが、その背景には驚くべき努力と工夫が隠されていたのです。

連載開始当時、加藤九段はまだ十代。

それから半世紀以上にわたって、一度も休むことなく連載を続けてきました。

その秘密は、読者への深い思いやりにありました。

一般の将棋ファンへ向けておりますので、だいたい7手詰めか9手詰めを作ることを目標としており、目が覚めるような良い手、感心してもらえる手を2手はいれております

ただ難しい問題を作るのではなく、読者が「あっ！」と驚く瞬間を大切にする。

その姿勢は65年間、まったく変わっていないのです。

驚くべきことに、加藤九段は旅行中の飛行機や新幹線の中でも詰将棋を作っているといいます。

常に読者のことを考え、「この手順なら楽しんでもらえるかな」と思いを巡らせながら創作を続けています。

毎月の連載で必ず意識しているのが、「目が覚めるような良い手」を2手は入れること。

これは、読者に「発見する喜び」を味わってもらいたいという思いからきているそうです。

将棋界の重鎮・森下卓九段は「棋士として、また同郷の後輩として、こんなにうれしいことはありません」と、今回のギネス記録認定を心から喜んでいます。

84歳という年齢を感じさせない情熱で、加藤九段は「これからも記録を更新していきたい」と力強く語ります。

この記録は破られないのでは？という質問に、「そう思います」と自信に満ちた返答。

現在も変わらぬペースで詰将棋を作り続ける加藤九段。

その創作意欲は、年齢を重ねても衰えることを知りません。