「ちょっと目を離した隙に…」
そんな痛ましい事故が、実際に起きてしまいました。
今年8月、たった1歳の男の子が、おやつとして食べた球形チーズで命を落としました。
同じような事故は過去にも発生しています。
もしかしたら、あなたのお子さんの身近にも、同じような危険が潜んでいるかもしれません。
今回は、国民生活センターからの最新の注意喚起を基に、小さな子どもがいるご家庭で特に気をつけたい食品の安全ポイントについてお伝えします。
球形チーズによる窒息事故の実例
国民生活センターが公表した事故情報によると、に起きた事故では、直径約2センチの球形チーズを食べた1歳の男の子が窒息。
すぐに救急搬送されましたが、残念ながら12日後に亡くなってしまいました。
実は、これまでにも似たような事故が報告されていたんです。
からの間に、合計4件の球形チーズによる窒息事故が報告されています。
幸い、これまでの3件は一命を取り留めることができましたが、今回初めて死亡事例が報告されました。
特に注目すべきは、全ての事故が3歳以下の子どもで起きていること。
そして、事故の多くが「普段から食べていた」「大丈夫だと思っていた」食品で起きているということです。
ここまで悲しい事例を見てきましたが、では、なぜこのような事故が起きてしまうのでしょうか?
次は、その理由について詳しく見ていきましょう。
なぜ球形チーズが危険なの?
球形チーズが危険な理由は、主に3つあります。
1. 形と大きさの問題
直径2センチという大きさは、小さな子どもの気道をふさいでしまう可能性がちょうどある大きさなんです。
しかも、つるっとした表面で丸い形状のため、詰まりやすく、また取り出すのも困難です。
2. 溶けやすさの問題
チーズは体温で溶けやすい性質があります。
実際の事故事例でも、1歳10か月の女の子の事例では、のどに詰まったチーズが溶けて、のどの奥に入り込んでしまったことが報告されています。
3. 誤認識の危険性
見た目がキャンディーに似ているため、子どもが一度に口に入れてしまいがちです。
また、個包装されているため、大人も安全な食品だと思い込んでしまう可能性があります。
このような危険性を知ったうえで、具体的にどうすれば事故を防げるのでしょうか?
次は、実践的な予防策を見ていきましょう。
子どもの窒息事故を防ぐための具体策
食事中の事故を防ぐために、以下の対策を心がけましょう:
1. 食品の適切な大きさ
- 親指の爪より小さく切り分ける
- つるっとした食品は特に小さくカット
- 粘り気のある食品は一口サイズに
2. 与え方のルール
- 必ず大人が見守る
- 座って食べる習慣をつける
- 急がせない、急いで食べさせない
- 泣いている時は与えない
- 歩きながら、走りながらの飲食は禁止
特に大切なのは、「これくらいなら大丈夫」という思い込みを避けること。
今回の事故でも、直径2センチという、一見それほど大きくは見えないサイズで事故が起きています。
では、もし万が一、食べ物が詰まってしまった場合は、どうすればいいのでしょうか?
もし事故が起きたら?緊急時の対応法
すぐにすべき対応は次の通りです:
1. 異変に気づいたら即座に確認
- 咳をしているか
- 顔色が変わっていないか
- 声が出せるか
2. 緊急時の対応手順
- 119番通報を最優先
- 可能であれば背中を叩く
- 指を入れて取り出そうとして、かえって奥に押し込まないよう注意
特に注意が必要なのは、チアノーゼ(皮膚や粘膜が紫色になる症状)が見られた場合。
これは深刻な症状のサインです。