アニメーション映画史上第3位の興行収入を記録した『アナと雪の女王2』。世界では前作を超える大ヒットとなった一方で、日本では興行収入が前作の半分程度にとどまりました。
なぜこんな差が生まれたのでしょうか?新しい物語の特徴や、作品の魅力を詳しく見ていきましょう。
なぜアナ雪2は世界で大ヒットしたのか
アナと雪の女王2の世界興行収入は14.5億ドル。これは『トイ・ストーリー4』を上回り、ディズニーアニメーション作品としては歴代3位の記録です。
大ヒットの理由として、まず挙げられるのが映像技術の進化です。特に水や霧の表現は、これまでのアニメーション映画の常識を覆すほどのクオリティを実現しました。
また、エルサとアナの姉妹の絆をより深く掘り下げたストーリー展開も、世界中の観客の心をつかんだポイントと言われています。前作で描かれた「自分らしく生きる」というテーマを更に発展させ、より成長した姿を描いているのです。
このように、技術面でもストーリー面でも進化を遂げた『アナ雪2』。では、なぜ日本では興行収入が半減したのでしょうか?
日本での興行収入が半分になった3つの理由
実は日本でも公開直後は好調でした。初週末の土日2日間で前作比211.7%という驚きの出足を見せたのです。しかし最終的な興行収入は133.6億円と、前作(254.7億円)の約半分に。この結果には、主に3つの理由があると考えられています。
- 前作の異例の大ヒット
そもそも前作の254.7億円という興行収入は、海外アニメ映画としては史上最高額。「レット・イット・ゴー」による社会現象も起きた特異な状況でした。 - 楽曲と物語の変化
今回の主題歌「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」も素晴らしい楽曲ですが、前作の「レット・イット・ゴー」ほどの爆発的な広がりは見られませんでした。また、物語もより複雑になり、前作の単純明快さとは違う魅力になっています。 - 2019年の特殊な状況
2019年は日本の映画界全体で興行収入が過去最高を記録した年。『天気の子』『アラジン』『トイ・ストーリー4』など、100億円超えの大作が目白押しでした。
これらの作品と公開時期が重なったことも、興行収入に影響を与えた可能性があります。では、実際の作品内容はどう変化したのでしょうか?
前作と何が変わった?気になる変更点を比較
アナ雪2で最も大きく変わったのは、エルサとアナの物語の深まりです。エルサの魔法の力の起源や、アレンデール王国の過去など、より壮大なスケールの物語が展開されます。
映像面では、特に自然現象の表現が劇的に進化。水や霧、火の表現は、まるで実写かと見間違うほどのリアルさを実現しています。
新しい主題歌「イントゥ・ジ・アンノウン」は、より大人っぽい雰囲気の楽曲に。エルサの新たな冒険を予感させる歌詞と、壮大なメロディが特徴です。
このように、より深みのある物語と進化した映像美で、新しい魅力を打ち出した『アナ雪2』。実際の視聴者の反応はどうだったのでしょうか?
視聴者の感想から見る作品の評価
作品を見た人からは、特に以下のような点が高く評価されています:
- より壮大になったストーリー展開
- 進化した映像美、特に自然現象の表現
- キャラクターたちの成長した姿
- 新しい楽曲の質の高さ
一方で、以下のような意見も見られます:
- 物語が複雑になった分、理解しづらい部分がある
- 前作ほどのキャッチーな曲がない
- CGの進化により、キャラクターと背景の違和感を感じる場面がある